タヌキをひろう

運転しながら、自分の走っている

道路の番号が気になります。

 

この道は、〇号線か、

ここで、△号線に変わるのか、

など。

 

たまに、1本道だと思って

走っていたけれど、

いつの間にか、

違う数字になっていることもあり、

そんなときは、家に帰ってから、

あの道が、どこで切り替わったのか

地図で調べます。

 

なるほどね、

ここで、県道から国道になったのか、

じゃあ、この道は、どこまで続くのか?

と地図をみながら、わくわくします。

 

ヤーコンが、

道路の〇号線という標識が

気になるようになったきっかけ。

それは、

死んだタヌキをひろってからです。

 

数年前の炎天下の夏、

運転していたときのこと。

 

道路のはじっこに、

タヌキが、死んでいました。

 

あ、タヌキが死んでいる!

と思ったまま、

轢かれちゃったんだな~、

かわいそうに、と思ったのですが、

 

かわいそうに、と思ってしまうと、

憑依されると聞いたことがあるので、

カワウソーに、と言葉を切り替えて、

カワウソ、カワウソ、と

タヌキを思いながら、

カワウソという動物を

思い浮かべながら数分。

 

まてよ。まてよ、まてよ。

あれが人間だったら、

119番しているはずだな。

人間なら間違いなく

通り過ぎることはないはず。

タヌキだからと、

見て見ぬふりをしてもいいのか?

タヌキだからと

そのまま放置するのはよくない!

と思い始め、

 

キキキキキキキキーーーーーと

ブレーキを踏み、Uターン。

あぶない刑事の舘ひろし気分で、

脳内に舘ひろしの歌を流し、

♪It's alright now you can open your heart.

It's alright now you can open your heart♪

タヌキの元へと向かいました。

 

タヌキの元に到着し、

まず、車にたまたまあった新聞紙を

トランクに広げ、設置場所確保。

 

タヌキに直接触れないように、

別の新聞紙を両手にひろげ、

 

 そっとタヌキを持ちあげる。

 

予想以上に重っ!

そうか、死んでるからか。

いや、生きているタヌキを

抱えたことがないので、

本当の重さはわからない。

 

せーので、トランクに載せました。

夏の炎天下、死んだたぬきを

車にのせてみてわかったこと。

 

すべての窓を全開にして、

車を走らせても、

においが充満しまくるということ。

あれは、

死後2日以上は経っていただろう。

 

悶絶級のくささで、

こっちが死ぬわ!というくらい

息ができない状態で、約20分。

 

知り合いの大きな土地に

深い深い穴を掘り、

カワウソを埋葬しました。

 

あ、タヌキ。タヌキさん、

ゆっくりと眠ってくださいと

祈りをこめて。

 

そのことをウィッギの母親に話すと、

 

「そういうのはね、

市役所に電話すると

もっていってくれるのよ」と。

 

えーーーーー!そうなの!!!

初めて知りました。

 

それから数日後、

死んだタヌキを発見!

早速、車を路肩に停めて、

市役所に電話をしました。

 

場所はどの辺りですか?とか

何号線ですか?とか聞かれて、

 

そのときはじめて、

自分の走っている道路の番号を

確認しました。

 

へー!道路の番号って

いろいろあるんだなと気づく大人。

 

それから、ちょくちょく、

死んだタヌキを発見するよう

なりました。

意識しているから、

ますます発見率が高くなるの巻。

 

〇号線にある

△△小学校とコンビニの間で、

どちらかというと

コンビニ側寄りの道に死んでます。

というように伝えると、

 

わかりました。

とか

もう少し詳しく教えてもらえますか?

とか聞かれます。

 

あと、これ重要です。

どこの市町村の道路で

見つけるかによって、

電話する市役所が違うので、

 

電話する前に、

まず、自分が走っている市町村を

確認しないといけません。

 

それを間違えると、

それは、隣の市の管轄です。

と言われます。

 

また、国道と県道もあり、

それは、県の管轄です。

なんて言われることがありましたが、

 

いやいやそこは、

市役所から、つないでよ!

と思っていたら、

 

こちらから連絡しておきますね、

と、親切ぶりお風に返してくれました。

 

死んだタヌキの対応については

よくよく調べてみると、

衛生的にも、自分で処理せずに、

頼んだほうがいいとのことを知る。

無知ってこわい。

 

幸いにも、何の病気にもならず、

タヌキを積んだ思い出の車も、

先日、廃車になりました。

 

タヌキをきっかけに、

道路番号を確認することが好きになり、

お!211から348に入ったな!

と、ひとりテンションがあがったり、

 

この国道は、どこまで続いているのか?

わくわくしながら地図を確認したりして

ドライブ人生を楽しんでいます。

 

憑依されないための一句詠みます。

そのタヌキ 死んでいたら カワウソと。