言葉を言葉として聞かない。
知り合いの山田(仮名)が、
部下や会社の愚痴を言ってました。
聞いていた数人は、
最初は、聞いていたものの、
だんだん、アドバイスするようになりました。
「山田。自分のことばかり、正しいと思ってちゃいけない」
とか、
「愚痴を言ったって、始まらない。
自分が変わらなくちゃ、何も変わらないよ」
とか、言いました。
でも、たったひとりだけ、
ぽつり、と言いました。
「山田は、その部下のことを、
真剣に考えてるんだよね。
会社をもっとよくしたいと
考えてるんだよね。」と。
いつも冷静で、感情的にならない山田が、言葉を詰まらせて、 目に涙を浮かべて、
「ずーっと、どうしたらよいか、
悩んでいた。一歩、 踏み出せそうだ。」と言いました。
たったひとりだけ、
山田の心を“聴いて”いたんだな、と気づきました。
言葉や状況を“聞く”んじゃなくて。
言葉を言葉として聞かないことが、
聴くってことか、と、学んだ
ヤーコンなのでありました。