子連れコスタリカ旅行 コスタリカのコーヒー豆が高品質な理由

コスタリカの小学生の夏休みは、12月中旬から2月初旬とのことで、コスタリカに滞在していた1月は、昼間に子どもをみかけることも多く、ホテルに迎えにきてくれる運転手さんの中には、「娘が夏休みだから、今日は一緒に連れてきたよ、アミーゴ!」という人も。助手席から「オ~ラ~(ハロ~)」と挨拶する娘さん。

 

小学生の夏休みが12月中旬から2月初旬に設定されている理由のひとつに、コーヒー豆の収穫時期が関係しているとガイドさんが教えてくれました。

 

コスタリカのこれまでの経済、文化の発展は、コーヒー豆の生産により築かれており、国一丸となってコーヒー豆を生産してきました。子どもも大人も、家族総出でコーヒー豆を生産をするため、収穫のピークでもある1月を学校の休みにしたそうです。

 

ただ、現在は、子どもが手伝うことは、あまりなく、ホンジュラスニカラグアなどの近隣国からの出稼ぎの人が多いとのことです。

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私は、コスタリカのコーヒー豆が高品質ということを、コスタリカに行くまで、全く知りませんでした。

 

2018年7月に開催された国際インターネットオークションにおいて、COE史上最高価格の2倍以上の1kg約73,000円(総額約1,750万円)で落札されたコーヒー豆がコスタリカ産だったそうです。

 

COE(カップオブエクセレンス)とは、生産国ごとに、その年の最高品質のコーヒー豆を決める品評会です。その品評会に入賞したコーヒー豆がネットオークションにかけられ、世界中のバイヤーが最高の豆を落札しようと入札に参加します。

 

良質な豆をつくれば正当に評価され、品質に見合った金額で販売されるこの仕組みは、生産者のモチベーションや栽培技術などが向上しコーヒー豆の品質がさらに高まったそうです。

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↑急斜面でのコーヒーチェリーの摘み取り体験。1粒1粒丁寧に、骨の折れる作業です。
 

コスタリカのコーヒー豆が高品質な3つの理由

雨、日当たり、温度、土質、必須条件がそろっている。

コスタリカの土壌は、火山灰により熱帯酸性質、有機物が豊富で保水力があり、コーヒーの根が伸びやすく樹木は丈夫に育ちます。また、国の方針で、気候や地形の条件に応じて、7つの地域に分け、それぞれの地域の特色を活かし、安定した日照量と降水量、適度な気温の下、1粒1粒手摘みされています。

 

法律でコーヒー豆の品種を限定

品質の高いコーヒー生産を推し進めるため、1988年に法律によりアラビカ種のみの生産に限定しました。コーヒーの品種には、アラビカ種、リベリカ種、ロブスタ種、があり、そのなかでもアラビカ種が味や品質に優れていると言われています。法律で品種を限定することは、世界をみてもコスタリカだけです。

 

また、コーヒー協会(ICAFE)が設立されており、生産から輸出までの管理や指導、品質の保持、向上、安定供給など国をあげて徹底されています。

 

マイクロミル革命

コスタリカは小規模な農園が多いことから、以前は、地域一帯の農園が生産したコーヒー豆をひとまとめにして出荷していたり、コーヒーの実(コーヒーチェリー)の状態で農協や輸出業者に販売していたため、買取価格が安く、多くのコーヒー農園は経営難になっていました。

 

小規模で質のよいコーヒー豆を生産している農家が多かったため、自前でコーヒー豆を精製、輸出できるように、マイクロミル=小さな生産処理場をつくりました。

 

これにより、より質の高い豆は、スペシャルコーヒーとしても注目されるようになり、各地のコーヒー豆の個性や特徴もより鮮明になっているそうです。これは、マイクロミニ革命と呼ばれています。

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コスタリカは、コーヒーの栽培による環境破壊の問題にも取り組み、生産性の向上と環境保護の両方に力を入れています。

 

コスタリカの発展とコーヒー豆については、別に書きますが、コスタリカは、侵略によって、16世紀にスペイン領にされ、19世紀に独立したと言われていますが、独立したのではなく、独立させられてしまった国なのです。

 

スペインや近隣国家に翻弄され、独立させられてしまった貧国が、コーヒー豆で大逆転する歴史は、コスタリカの底力を感じずにはいられません。 

 

コーヒーショップや喫茶店に行ったときには、ぜひ、コスタリカ産のコーヒーを試していただければと思います。

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