正直不動産 すべてを不動産屋任せにするべきではない。

麒麟・川島氏とかまいたち・山内氏”がマンガ愛を語る番組「川島・山内のマンガ沼」で紹介されていた「正直不動産(小学館)」というマンガ。

嘘八百でお客を騙し、売上NO1の不動産営業マンの永瀬。ある日、石碑を壊したことで祟られ、嘘がうまくつけない体質になってしまった。正直なことしか言えなくなった永瀬は、嘘をつかなくても、営業NO1になるにはどうしたらよいかと考え始め、正直不動産屋に生まれ変わっていくという話。

不動産情報が満載で、不動産屋さんが嘘をつくときは、こんな言い方するんだとか、とても勉強になるマンガ」と山内氏。

将来、息子が家を買うとき、借りるときに、役立つかもと思い、早速本屋へ。原案が夏原武氏と知り10巻まとめて購入。

夏原武氏は、クロサギという詐欺師のマンガの原案者でもあり、作家、ルポラーターでもある。ルポライターとは、事件や社会問題などを題材に綿密な取材を通して事実を客観的に叙述する文学の一ジャンル。昔、クロサギを読んで、夏原氏の綿密な取材はもちろん、人間模様の描き方が好きになったので、この「正直不動産」も期待をこめて即まとめ買いした。

レオパレス問題やフラット35、家賃保証型サブリースや地面師など、分かりやすく描かれていた。一般人が、地面師に会うことはないだろうが、庶民に関係のあるフラット35は、固定金利だからといって、安易に決めるものではないということがよくわかる。多くの不動産屋はデメリットは積極的に言わないし、あとから、なぜ教えてくれなかったのか、と詰めよったところで「聞かれなかったから答えなかっただけ」という返事が返ってくるだけだ。※すべての不動産屋が悪徳なわけではありません※

正直不動産の永瀬が「お客様にも問題があります」「お客様にも落ち度があります」というシーンがある。例えば、マンションを購入するなら、用途地域、計画道路の有無、耐震基準、建物構造の種類、リフォームの必要性など、これくらいは、もし不動産屋から説明がない場合、お客様から聞くべきだと。「これから長年、ご自身がお住みになる家を買おうとしているんです。すべてを不動産屋任せにするべきではありません(第3巻:あんこ業者(前編)より

人生で高い買い物のひとつ不動産を購入するのだ。後々トラブルになって「聞かれなかったから答えませんでした」と言われないように、情報収集はもちろんのこと、人生設計をしっかり考えることは必須であり、また、担当者の人間性を見極めることも必要だ、、、これがむずかしい・・・。

また、家を借りるときの仲介手数料。借り主と貸し主、双方が折半(0.5か月分プラス消費税)で支払うことになっているが、現状、借り主の全額負担なっていることが多い。これは、借り主、貸し主の承諾があれば、1か月分を上限に割合を調整できると国土交通省が告示しているためである。

不動産側から提示された「仲介手数料は借り主が全額支払う」という書面に、借り主がサインをした時点で、全額払うことに承諾したことになってしまうのだ。借り主と貸し主、折半であることを法令で定められていると知っていれば、不動産屋に交渉できる。

ただし、不動産側にとっては、大切なお客様は、借り主ではなく、オーナーなのである。貸す家がなければ、商売にならないため、不動産屋が大切にするのは、家をもっているオーナーとなる。仲介手数料を全額支払わなければ、借さないというオーナーもいるという。

2019年に120年ぶりに民法の改正があり、いままで曖昧だった敷金と原状回復のルールが明確化され、経年劣化によるクリーニング代などは貸し主負担になった。これから部屋を借りる場合、国土交通省の「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」が参考になるだろう。

ほかにも、瑕疵担保責任や告知義務、欠陥マンションや公簿売買など、不動産情報が満載だが、それだけでなく、工務店と不動産屋の人間模様や、大手不動産と町の不動産の関係、営業マンの努力などなど人情味あふれるマンガ「正直不動産」。小学5年生の息子も、早速、はまっていた。

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また、リフォームについては「徹底的に考えてリノベをしたら、みんなに伝えたくなった50のこと(ちきりん著)」がおすすめだ。業者を決めるときの判断基準、また、どう情報を得るのか、どう思考するのかなど、とても勉強になる。

本日、2021年2月18日20時から、ちきりんさんの住宅政策についてのお話があるそうだ。

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