そこに生きているだけで、誰かの何かに共鳴させる

昔、好きな男性のタイプは?という話題になり、聡明で穏やかな職場の女の先輩が「私は傍若無人な人が好き」と答えた。 傍若無人??その言葉を初めて知った私。

意味を調べてみると、傍若無人とは、「人まえをはばからず勝手気ままにふるまうこと」だと知る。

優しいとか、誠実とか、包容力があるとか、一般的には、そんな回答が多い中、傍若無人な人が好き、とは、とても衝撃的な答えだった。「傍若無人なヒトって、自由で正直に生きてて、魅力的」と先輩。

どこまでの傍若無人ぶりを許容とするかというのはあるけれど。

この話は、15年以上前のことだが、とても強く印象に残っていて、なぜか、ロックンロール!でお馴染みの内田裕也氏を見るたびに、その先輩を思い出すのである。そして、歳をとるごとに、先輩の言っていたことが、分かってきたような気がする。ちなみに、私は内田裕也氏が好きだ。

先日、友人が「旦那は、超わがままで、社会的に適応できていないところも多いし、旦那さんとしても、子どもの父親としても、ダメなところがたくさんあると思うんだけど、一緒にいて安心するのよ。

自分に正直に生きていて、堂々と生きていてね、ありのままに生きていいんだ、と思わせてくれる。破天荒で、変人と思われているかもしれないけど、自分のやりたいことをやって、自分で自分を幸せにして、誰かのために何かしなくても、ありのままで生きるってことだけで、周りにしあわせをするんだよね」と。

家族として、大変なところもたくさんあるだろうけど、ありのままに生きるというのは、それを上回るくらいの魅力があるんだろう。

先輩の「傍若無人は、正直で自由で、魅力的」という言葉を思い出した。 

誰が考えたかもわからないような常識や観念に縛られることなく、自由にありのままに、自分に正直に生きている人をみると勇気がわいてくる。

そんな生き方いやだ、と思う人もいるだろう。それもいい。自由に生きてなくても、世間軸にあわせて生きているとしても、どんな生き方をしていたとしても、誰かのために生きなくても誰かを幸せにしようと思わなくても、そんなことを思わなくても、ただ、そこに生きているだけで、誰かの何に共鳴しあうのが人間だ。