ネガティブケイパビリティ 不登校 とどまる力

「娘が学校に行かなくなってしまった」と友人。小学6年生になって、数か月後。最初は体調不良で休んでいたが、そのうち、行かなくなってしまったという。

学校で何かいじめがあったわけでもないようだ。担任の先生と話すために、親と娘が学校に行くと、たまたまクラスメイトに出会わしたが、隠れることもなく、明るく挨拶し、先生も親も明確な原因が分からないまま、様子をみている状態で、どうしたらよいか分からないという状況である。

家ではメイクを楽しんだり、町内の祭りには元気に参加したという。

帚木蓬生氏著の「ネガティブケイパビリティ=すぐには答えの出ない事態に耐える力」という本を思い出した。

ネガティブ・ケイパビリティ (negative capability 負の能力もしくは陰性能力)とは「どうにも答えの出ない、どうにも対処しようのない事態に耐える能力」。あるいは「性急に証明や理由を求めずに、不確実さや不思議さ、懐疑の中にいることができる能力」を意味する。(著書より引用)

著者のクリニックには、不登校の子を連れて親が受診するそうだが、ほとんどの親が自分の子どもが、世の中の仕組みから落ちこぼれていくと恐れおののいているが、当の子どもは、いま自分が受けている教育がどこかおかしいと感じていると。

おかしいと感じているほうが、感じていない子より直感的に正しいかもしれない、と、いう箇所に私は納得した。

不登校というのは本人が選び取った避難所であり、本人が折り合いがつくまでとどまることが一番とあった。

このとき、本人が発揮しているのがネガティブ・ケイパビリティであり、同時に、親もこのネガティブケイパビリティを持つ必要がある。

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わが子が折り合いをつけて進む道を見出す時がくるまで、宙ぶらりんの日々を、不可思議さと神秘さに興味津々の眼を注ぎつつ耐えていくべきです(p196より)

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とあった。

問題解決を急ぐことなく、無理にポジティブにふるまうことなく、答えのでないグレーな状態を抱える力。ネガティブな状態にとどまる力を養うことは、長い人生を支えてくれるだろう。自分が抱いた違和感を大切にし、目をそむけず、心をそむけず、とどまり、立ち止まり、答えをだし、また歩みだす。人生は長距離走だ。

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